東洋医学とアンチエイジング 腎について

2019.09.25

今回はこれからやってくる「冬」と関わりの深い、

「腎」のお話。

 

「腎」と聞いて、まず皆さんが思い浮かべるのが「腎臓のこと?」だと思いますが、

これからお話する東洋医学の「腎」と西洋医学の「腎臓」は似て非なるもの。

別物としてお考え下さい。

 

 

アンチエイジングとかかわりの深い「腎」のお話にお付き合いください。

 

 

皆さんは最近、「年のせいかな…」と感じることはありませんか?

 

そして、それはどんな時でしょうか?

 

 

「最近、物忘れが…。」

「耳が聴こえづらいかも…。」

「髪が抜ける、白髪が増えた、艶がなくなってきた。」

「骨粗しょう症と言われた!」

「硬いものや、冷たいものは歯が心配。」

「更年期かな。」

「トイレが近くなった。」

「寒さや冷えに弱くなった。」

 

などなど、どれも年を重ねれば誰にでも起こる可能性のある症状ですが、

若いうちから当てはまる方は要注意です。

 

実はこれらの症状は、東洋医学で言うところの

「腎虚症」に当てはまります。

 

「腎」は生命力とも言うべき「精」を貯蔵する大事な役割があります。

発育・成熟・生殖という基本的な生命の素となる「精」が「腎」で活性化され、

「気」に変化したものが「原気(元気)」であり、

武道やボディセラピーなどで「臍下丹田に気を集めて…」

と言われるのは、この気のことです。

 

 

この「精」には「先天の精」と「後天の精」があり、

先天の精」とは両親から受け継ぎ、生まれた時から持っているもので、

「後天の精」とは生まれた後に、飲食物の栄養などから自分で得ていくものです。

「精」はこの「後天の精」により常に補われているので、

私達が生きている限り枯渇することはありません。

 

しかし、

加齢や病気、無理なダイエットなどで食事量が減ったり、

過労や不摂生、ストレスなどでこの「後天の精」がうまく作り出せなくなると

「腎気」が衰え、原気(基礎活動力)がなくなり、活動が低下し、身体も冷えやすく、

また生殖能力も低下し、疾病にかかりやすく、治りにくくなり、

前述したような様々な老化現象が現われてくるのです。

加齢による年相応の老化現象は自然の摂理ですが、

最近は若いうちからの「隠れ老化」が進んでいる方が多いようです。

「人より老化現象が早いかも…?」とお心辺りのある方は、

「腎虚症」の疑いアリです。

アンチエイジングを心がけていらっしゃる方は、

まず「腎」を補ってみましょう。

 

 

「腎」は五行で分類すると「水」、五季では「冬」です。

寒さや冷えを受けやすい「腎」。

これからの季節は要注意です。

次は「腎虚症」の症状とその対策を書いてみたいと思います。

 

まずは「腎虚症」についてもう少し掘り下げてみましょう。

 

すべての鍼灸師にとってのバイブルとも言うべき「黄帝内経」によると、

女性は7年周期、男性は8年周期で生命力が大きく変化し、

女性は28歳でピークを迎え、49歳で閉経、

男性は32歳がピーク、56歳で生殖能力を喪失するとあります。

(この辺の件は某有名薬用酒のCMでご存知の方も多いかもしれませんね。)

ちなみに、

女性28歳、男性32歳のカップルの赤ちゃんは最強の「先天の精」を持って生まれると言われています。

身体はもちろん、歯や骨、髪、肌などもとっても丈夫な子なのだそうです。

もし、ご自身ごお生まれになったときのお父さま、お母さまがこの年齢に当てはまる方は、

とてもラッキーな方かもしれませんね。

 

 

本題に戻りましょう。

女性49歳、男性56歳を過ぎると、一気に生命力が低下し、

老化現象が顕著に現われるようになっていきます。

ここで言う「生命力」とは、

今までお読みいただいた方はお分かりだと思いますが、「精」のことです。

「精」には両親から受け継いだ「先天の精」と

誕生後、飲食物などから得ていく「後天の精」があると言いました。

急激に現われる老化現象を少しでも緩やかにするためには、

この「後天の精」を増やし、「腎」の働きを活発にしていくことが重要です。

 

では、「後天の精」はどうやって増やせば良いのでしょうか?

「腎虚症」の原因は加齢、病気以外は生活の不摂生、

暴飲暴食、房室過多、ストレス、冷え、疲労そして、マイナスな感情などです。

 

ですから、

解決策はズバリ「規則正しい生活」「保温」「楽しく明るく過ごす」しかありません。

食事は三食バランス良く決まった時間に摂り、もちろん腹八分目。

適度な運動、夜はちゃんと入浴、しっかり睡眠、

疲労も溜めない、ストレスはゼロ、毎日ハッピー!

 

こんな生活が遅れたら、きっと健康でしょうね。

ですが、毎日続けるのはなかなかに難しいのではないでしょうか。

東洋医学は日常の生活の中ではぐくまれ、磨かれてきた学問です。

まずはご自身の生活の中で、無理なくできることからやってみましょう。

 

規則正しい生活が難しい方は次のことを心がけて下さい。

・食事はなるべく良く噛み、時間があればゆっくり。

・深呼吸を思い出した時にしっかり3回ぐらい。

・シャワー派の人は夜ではなく朝に。(でも、たまには夜ゆっくり入浴しましょう)

・睡眠は短くても、電気はちゃんと消して。真っ暗では眠れない方はアイマスクがおすすめ。

 

いかがでしょう。

これぐらいなら挑戦できるのではないでしょうか?

 

上記のことが出来ている!という方は「後天の精」の原料となる食事を充実させて下さい。

「腎虚症」の方におすすめな食材は

1、いわし、納豆、味噌、ちゃんと火を通した肉類、紅茶など

2、わかめ、ひじき、醤油など

3、のり、もずく、塩、昆布、かになど

 

1は身体を温める効果もあるので特におすすめです。

3は腎虚症の方の身体を冷やす働きも持っているので、摂りすぎには注意です。

以上1~3は、

腎を補う、身体を温める、良い血を作るなどの観点から

日本人に適した比較的手に入りやすい、食材をご紹介しましたが、

食事と東洋医学についてもっと詳しく知りたい!

という方のために、ちょっと寄り道。

薬膳の観点から書いてみたいと思います。

 

薬膳とは中医学に基づき、生薬や食物を組み合わせたり、

使い方を工夫したりすることでその作用を引き出す料理のことで、

健康を保持したり、病を防いだり、回復を助けたりすることが目的です。

最近は美容やアンチエイジング的な効果が注目されていますね。

薬膳というと生薬が入っている料理の事、

と思われている方も多いかもしれませんが、

生薬が入っていなくても食物の作用が活かされ、

その人の弁証に合うように調理されていれば普通の食材だけの料理でも立派な薬膳です。

そして「身体に良さそう」だけでなく「美味しい!」ことがとても重要です。

プラスの感情は五臓に働きかけ、健康への第一歩になります。

ご自宅でも試しやすいように、今回は食材についてのみ書きたいと思います。

 

〈腎を温める〉

・羊肉、エビ、ニラ、胡桃、八角、酒など

〈腎機能をアップ〉

・すっぽん、烏骨鶏、なまこ、あわび、牡蠣、黒ゴマ、クコの実など

〈身体を温める〉

・にんにく、しょうが、唐辛子、山椒、ネギ、ニラ、胡椒、

シナモン、羊肉、鶏肉、もち米、カボチャ、黒砂糖、酒など

があります。

 

すっぽんや烏骨鶏、あわびなどはなかなか一般家庭では目にすることはありませんが、

それ以外は割と使えそうな普通の食材ばかり。

腎の食材は香りが強いものが多く、独自の旨味を持っていることが多いのも特徴です。

見ているだけで美味しいものが作れそうな気がしますよね。

来年の春を万全な体調で過ごすためにも、

この冬は腎に注目したおいしくて身体によい食生活を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

さて、

これからの季節は暴飲暴食、睡眠不足、過労、冷え…

と「腎虚症」に陥りやすい条件がそろっています。

中医学最古の医学書、東洋医学のバイブル黄帝内経によると、

冬は「閉蔵」といい、貯蔵している陽の気を身体の奥深くにしまい、

蓄え、なるべく気や精の消耗を防ごうとします。

ですから、

東洋医学では冬の間の汗のかき過ぎもよくないとされています。

汗と一緒に気も毛穴から出て行ってしまうと考えられるからです。

こうして冬の間、無駄な気を使わないよう、腎を損なわないように生活し、春の生気に備えます。

春は自然界の気も大きく変化する季節です。

 

 

自身の気が弱まっていると外界の大きな変化についていくことが出来ず、

いわゆる「五月病」と言われる自律神経失調症など、体調不良を起こす人が少なくありません。

春の体調は冬の過ごし方、気や精の貯蔵具合で決まるといっても過言ではありません。

毎年、春に体調不良を起こす方は冬の過ごし方から考えてみてください。

 

腎は生命力、東洋医学でいうところの「精」を貯蔵する大切な場所。

人間の生殖能力やアンチエイジングにもかかわりの深い、非常に重要な器官です。

「腎虚」は美容面、ファーストエイジング、生理痛や冷え、深い疲労、

そして男女ともに不妊の原因となっていることも多いのです。

最近では、認知症やアルツハイマー病に対して予防・症状緩和の鍼灸治療(補腎)

の有効性について報告もあり、さらに研究が進んでいます。

 

美容も健康から。

 

素敵に年を重ねるために、この冬からは食事・睡眠・生活習慣+冷え対策を見直して、身体の内側からアンチエイジングしましょう。

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