
今回は、東洋医学における「水毒(すいどく)」という概念についてお話しします。
現代医学ではあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、日々の体調不良に深く関わっていることも多く、特にこの季節に現れやすい不調の原因となることがあります。
東洋医学的な水毒とは?
東洋医学では、体の中に「気・血・水(き・けつ・すい)」という三つの要素がバランスよく巡っていることが健康の基本とされています。
このうち「水」とは、血液以外の体液――リンパ液や消化液、汗などを含めた水分全体を指します。
水毒とは、この「水」が体の中でうまく巡らず、滞ってしまった状態を指します。
つまり、必要以上の水分が体に溜まり、排出がうまくできずに不調を引き起こしている状態です。
原因としては、水分の摂り過ぎ、冷え、消化機能の低下、運動不足などが関わってきます。
水毒によって現れる症状
水毒の状態になると、以下のようなさまざまな症状が現れます。
むくみ(顔・足・手など)
頭重感、頭痛
めまい、ふらつき
胃もたれ、食欲不振
吐き気や下痢
冷え性
雨の日に体調が悪くなる
関節の痛みやこわばり
こうした症状は、体内の水分が偏在していたり、排出されずに溜まっているサインです。
とくに梅雨時期や湿気の多い季節、冷たいものを摂りすぎたときに悪化することが多いのも特徴です。
水毒への対策は?
水毒の対策としてまず大切なのは、「余分な水分を取りすぎない」こと「巡らせる」ことです。
以下のような習慣を意識しましょう。
・常温または温かい飲み物を選ぶ(または一日に一回は温かい飲み物を飲む)
・生野菜や果物を摂りすぎない(体を冷やす作用がある)
・適度な運動で汗をかく、下半身を中心にストレッチをする
・入浴、または半身浴、手浴・足浴をする
また、胃腸の機能を整えることも非常に大切です。
消化吸収の力が弱まると、体内に「水」を巡らせる力が弱まり、夏の体調不良が長引く原因になります。
鍼灸が水毒改善・予防に効果的な理由
鍼灸は、体の「気・血・水」のバランスを整えることを目的とする施術でもあります。
特に水毒に対しては、以下のようなアプローチが可能です。
・気の巡りを良くして水分の排出を促す
→ 代表的なツボ:中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)、足三里(あしさんり)
・脾や腎の働きを活性化させて水の代謝を改善する
→ 代表的なツボ:脾兪(ひゆ)、腎兪(じんゆ)、陰陵泉(いんりょうせん)
・自律神経を整え、内臓機能の調整を図る
→ 鍼灸によって副交感神経が優位になり、内臓の動きが活性化されます。
他にも、その時の体調や体質合わせて選穴(ツボを選ぶ)したり、ご自宅でもできるセルフ灸用のツボをお教えすることができるのも鍼灸ケアの魅力です。
カラダキュアでは、メディカルコースやオーダーメイドコース(90分)などで担当の鍼灸師にご相談ください。
まとめ
水毒は「なんとなく不調」の原因になりがちな、見えにくい体内の水のアンバランスです。
放っておくと慢性的な症状につながることもありますが、生活習慣の見直しと鍼灸施術によって改善が期待できます。
「最近むくみやすい」「雨の日に調子が悪い」と感じる方は、一度鍼灸で体の巡りを整えてみてはいかがでしょうか?
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